岐阜県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!【後半】

今日は、岐阜県にあるイマオコーポレーション様にお邪魔したレポートの第2弾です!
前回の記事を見ていない方はこちら。
工場利益率を大幅に向上した仕組みとIoT化のポイント、社員の方々が働きやすい環境を大公開です。

作業者が楽になると会社が儲かる?!

今回は組立て工程の見学から再開です。
こちらの装置、なんと社内で自作です!アルミ部材も販売されているので、自社の製品を使って重いハンドル部品を軽々持ち上げられる装置を作られていました。
これも改善活動のアイディアの一つだそうです。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半
軽々と持ち上げられます。それまでは、1日作業をすると腰痛がひどく、作業効率も落ちていたそうです。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

梱包エリアも、重い荷物を台に上げるための昇降機や、台の上をスイスイ移動できるコンベア方式になっているなど、とにかく作業者の負担を減らす工夫がなされていました。

これらの改善は、「作業者が楽になる=会社が儲かる」という同社の理念から来ているそうです。
働きやすい環境だといいものが作れるということでしょうね!

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

こちらの作業台も、作業者が作業しやすいような人間工学に基づいた椅子、電動で昇降して高さ調整できる作業台、組み立て工程の内容がすべてデジタル化され、簡単にチェックできるタブレットなど、改善が盛り沢山です。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

3Dプリンターを使って作業効率を上げる仕組み

組立て時に人が大変な作業を楽にする治具づくりは、3Dプリンターを使用していらっしゃいました。
下の青い部品が3Dプリンターで作られたものです。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

例えばこの部品。右に見える銀色の小さい玉を、ピンセットを使った手作業で、3粒ずつ左の部品の上の穴に入れる、という組み立て作業をされていたそうです。
大量生産品ではないため、自動化はコストが掛かりすぎてしまうとのこと。
あまりにも大変だったので、改善活動されました!

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半
上にある穴にざざーーっと銀の玉を入れ、白い筒を90度回すと、ちょうど3粒出てくるツールです!

驚くのはスピードです。
「こういう作業が大変なんだよなぁ」という現場の声から、その日の夕方には試作品の3Dデータを完成させ、夜に3Dプリンターで造形し、朝にはオリジナル道具ができていて、実際に使ってみる。
こんなスピード感で開発されたものもたくさんあるそうです。

しかも、これらの部品を作った3Dプリンターも、数十万円のものです。(たまたま弊社で扱ってるRaise3Dを使われていました!)

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

作業時間と作業者の負担減が十分にできているため、数十万円の3Dプリンターへの投資金額は、一瞬で回収できてしまうそうです。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

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IoT化のポイントとは?!

今まで見てきたような、最先端IoT工場を作り上げられた取り組みについて、情報ビジネス部の山岡課長さんにポイントを聞きました。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半
取り組みの中で一番重要なのは、「改善」を目指していた事です。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半
https://www.imao.co.jp/kaizen_page_1.html

当社では改善活動に非常に力を入れており、改善活動のwebサイトもあります。
このサイトでは、今まで社内で行った改善活動が公開されており、先に紹介した3Dプリンターを使った組立時間の短縮や、作業の見直し事例、IoTを使った取り組みが沢山公開されています。

改善活動は、実は現場から見ると非常に大変な作業なのですが、継続して無理なく行って行ける仕組みも考えています。
自分たちの行った改善活動が公開されて社会からも評価されることで、社員の方の達成感ややりがいも上がり、積極的に改善に取り組む風土が出来上がりました。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半
改善活動は2010年から行われ、合計100回以上の改善発表会(毎月)と、約1,150件の改善項目が実行されています。

よく工場IoT(IIoT)では「可視化」という言葉が出てくるのですが、IoT=可視化と思ってしまわないように気をつけなければなりません。
IoTが流行っているからとか、時代に取り残されないようにIoTを始める、という、ある意味IoT化することが「目的」になってしまっている会社さんも少なからずあり、可視化できたところで何がメリットだったのかわからなくなってしまって失敗する、というケースがよくあります。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

本来の「目的」は、機械稼働率を上げたい、多能工を育成したい、外段取りができるようにしたい、スケジュールを立てやすくして人員配置をうまく回したいという「改善課題」であり、そのために必要なものとして「可視化」があるはずです。

当社では更に、「機械の増設や人員の増員」、「社員の働き方を楽にして優秀な若手を採用していく」というような経営課題までを実現するための「手段」として、IoTを使って機械の稼働状況を表示し、そのデータを収集する仕組みを作りました。

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

これらの取り組みで、工場利益率は30%以上向上し、残業時間も減り、社員が働きやすい環境ができあがってきています。

まとめ

いかがだったでしょうか。最先端IoT工場は、そこで働く方々の改善活動から産まれていました。
山岡さんがおっしゃられていたように、課題がなければ何をやってもうまくいきません。
また、そこには会社の大小も関係ありません。
今後、イマオコーポレーション様のような、IoTを駆使して日本のものづくりを次の時代に押し上げていく会社様が増えるといいな、と強く感じました。

【取材協力:SB C&S株式会社】
愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!後半

【株式会社イマオコーポレーション概要】
愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!前半
https://www.imao.co.jp/kaizen_page_1.html

愛知県工場利益率30%以上の向上を実現した、最先端IoT工場を見よ!前半
https://www.imao.co.jp/factory-station.html

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